耳に入った水が抜けない!綿棒Ngの理由と医師直伝の正しい水抜き法
水泳や洗髪の際、耳に水が入ると「鼓膜の奥まで水が入ってしまったのではないか」とパニックに陥る人が少なくありません。しかし、鼓膜に穴が開いていない限り、水が外耳道(耳の穴から鼓膜までの通り道)を越えて中耳に流れ込むことは構造上ありません。
それにもかかわらず水が抜けにくい理由は、外耳道の生体力学的な特徴にあります。成人の外耳道は長さ約2.5〜3cm、直径わずか7〜9mmほどの細い管状構造をしています。さらに、直線ではなく緩やかなS字状にカーブしているため、途中にくぼみが生じます。
この狭い空間に水滴が入ると、管壁との間で「表面張力」が強く働きます。細いガラス管の中で水が壁面に張り付いて留まるのと同様の現象が、体内の耳の中でも起きているのです。特にプール後の耳の閉塞感が長引くのは、プールの消毒成分(塩素など)や皮脂が混ざり合い、水の粘度や表面張力のバランスが変化して外耳道の壁面に強く密着してしまうことも一因です。