古沢良太の脚本術と現在|リーガルハイから大河、新作への全軌跡

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古沢氏のキャリアにおいて、もっとも激しい議論を呼んだのが2026年のNHK大河ドラマ『どうする家康』です。松本潤氏が演じた徳川家康は、威厳に満ちた天下人ではなく、プレッシャーに怯え、泣き叫び、右往左往する「等身大の頼りないリーダー」として描かれました。

放送当時、SNSや5ちゃんねる、知恵袋などのコミュニティでは激しい賛否が交錯しました。往年の歴史ファンからは「重厚感に欠ける」「偉人を情けなく描きすぎている」という厳しい声が上がった一方、若い視聴者層やビジネスパーソンからは「リーダーとしての孤独や決断の痛みがリアルに伝わる」「失敗を重ねながら成長する組織論として秀逸」と極めて高く評価されました。

当時の制作特番や公式インタビューにおいて、古沢氏は「家康は最初からタフな英傑だったわけではなく、頼りない若者が時代の濁流に呑まれ、多くの選択を迫られる中で化け物に変わっていったのではないか」という仮説を提示しています。この「偶像破壊」こそが古沢脚本の神髄であり、既存の権威や神話を疑い、生身の弱さを抱えた人間として捉え直す姿勢が、旧来の時代劇の枠組みを大きく揺さぶった要因でした。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。