弓道の袴の着方完全ガイド!帯位置の男女差や十文字結びの極意
袴を着装する前の土台となるのが胴着(上衣)の正しい着用です。胴着を適当に羽織ったまま袴を穿いてしまうと、時間の経過とともに胸元がはだけ、背中に不格好な弛みが生じます。まず下着の上に胴着を羽織り、右前の状態(右襟を先に胸に当て、その上に左襟を重ねる)で合わせます。胸元が浮かないよう、両脇の内紐と外紐を水平にしっかりと結び、背中の正中線が背骨の真ん中に通っているかを確認してください。余った裾や脇のたるみは、下へ軽く引き下ろしてシワを伸ばしておきます。
次に確認すべきは、初心者が現場で最も混乱しやすい「袴の前後」の識別です。弓道用の袴(馬乗り袴)には明確な構造差が存在します。
見分けるポイントは主に2点です。1つ目はヒダの数で、前側には左右合わせて5本の深いヒダ(前ヒダ)があり、後側には中央に寄った浅いヒダが1〜2本しかありません。2つ目は腰板(背板)の有無です。背中を支える硬い台形のパーツ(腰板、女性用では芯入りの帯状パーツ)とプラスチック製の固定用ヘラが付いている面が「後ろ側」になります。前後を逆に穿いてしまうと、足さばきが極端に制限されるだけでなく、見た目にも不自然な膨らみが生じるため、足を入れる前に必ず平置きして確認する習慣をつけましょう。
さらに見落とせないのが袴の長さ(丈)の合わせ方です。適切な丈の基準は、直立した状態で前裾が足の「くるぶし」をちょうど隠す程度です。これより長いと足踏みや歩行の際に親指の付け根で裾を巻き込んで転倒する危険があり、逆に短すぎると白足袋の上の脛が露出し、武道としての品位を損なう要因となります。