臨死体験の真相とは?脳科学が解く「お花畑と三途の川」の正体
臨死体験の生々しさは、著名人たちの残した手記やインタビューにも克明に記録されています。心理学の巨頭カール・グスタフ・ユングは、1944年に心筋梗塞で倒れた際、宇宙空間から地球を見下ろす壮大な体外離脱を体験し、自伝『想起・夢・思想』の中で「地上での人生が人工的な箱庭のように思えた」と告白しています。また、ハリウッドの名女優エリザベス・テイラーも、手術台での心停止中にトンネルを抜け、亡き前夫マイク・トッドに「お前にはまだ戻るべき場所がある」と告げられた経験を公言しました。
日本国内でも、脳外科医や救命救急の医療従事者による手記、あるいは5ちゃんねるや知恵袋、noteといったオンラインコミュニティにおいて、驚くほどディテールの一致する生還者の証言が数多く蓄積されています。
「手術室の天井付近に浮かんでいて、医師が『血圧が下がっている、急いで昇圧剤を』と叫びながら器具を落とした場面を上から見ていた。麻酔から覚醒した後にその情景を伝えたら、担当医が顔面蒼白になった」(心疾患生還者の証言)
このような「自己の肉体を外から客観視する体験(体外離脱)」について、スイス連邦工科大学のオラフ・ブランケ教授らは、右脳の側頭頭頂接合部(TPJ)に微弱な電気刺激を与えることで、人工的に体外離脱の感覚を再現することに成功しました。視覚・触覚・平衡感覚を統合するTPJの機能が心停止時の酸素不足によって乱れると、脳は「自分の意識が肉体の外側に存在する」という空間認識の誤作動を起こします。本人の主観としては100%リアルな現実として認識されるため、生還者は強い確信を持って「魂が抜けた」と語るのです。