猿払村が金持ちと言われる理由は?ホタテ御殿の真相と平均年収の実態

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総務省の課税標準額データをもとに試算される納税義務者1人あたりの課税対象所得において、猿払村は長年、全国の市区町村の最上位に君臨しています。年によっては平均所得が700万円〜800万円台を記録し、並み居る首都圏のベッドタウンを軽々と抜き去る異常事態が、メディアやSNSで「奇跡の村」と脚光を浴びる発端となりました。

この驚くべき富を生み出している根源が、オホーツク海がもたらす天然仕立てのホタテ漁です。猿払村のホタテ水揚げ量は日本一を誇り、年間数百億円規模の水産価値を創出しています。しかし、この村は最初から豊かな土地だったわけではありません。昭和30〜40年代、主産業だった林業と炭鉱の閉山が相次ぎ、村の財政は破綻寸前に追い込まれ、当時は「貧乏見たけりゃ猿払へ行け」と自嘲されるほどの極貧にあえいでいました。

転機となったのは、1971年から村と漁民が全財産を賭けて着手した「ホタテ稚貝の大規模放流事業」です。当時の村予算の数倍に達する巨額の借金を背負い、失敗すれば村ごと沈没しかねない大博打でした。稚貝の育成管理、海底の徹底的な清掃、天敵であるヒトデの駆除を何年も愚直に繰り返した結果、オホーツク海の冷涼な海水と豊富なプランクトンが極上のホタテを育み、数年後には記録的な水揚げを記録。壊滅寸前だった寒村は、一転して世界有数のホタテ産地へと奇跡の復活を遂げました。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。