チューハイとサワーの違いとは?定義と居酒屋の歴史をプロが徹底解説

チューハイとサワーの違いとは?定義と居酒屋の歴史をプロが徹底解説について押さえておきたい 事実を分かりやすい構成で解説いたします。

チューハイとサワーの違いをわかりやすく整理するうえで欠かせないのが、それぞれの名称が生まれた歴史的ルーツです。両者はまったく異なる文脈と時代背景から誕生しました。

チューハイの語源:昭和20年代の下町で生まれた「焼酎ハイボール」

チューハイという名称は、「焼酎」の「酎(チュー)」と「ハイボール」の「ハイ」を組み合わせた造語です。発祥は昭和20年代、第二次世界大戦後の東京下町(山谷、浅草、錦糸町周辺)の大衆酒場とされています。

当時、庶民の手に入りやすかった蒸留酒は粗悪な「カステリ焼酎(ヤミ焼酎)」や甲類焼酎でした。そのままでは独特の強い匂いやクセがあり飲みにくかったため、屋台や大衆酒場の店主たちが知恵を絞り、炭酸水で割り、香り付けに少量の梅エキスやシロップを加えたのが「焼酎ハイボール」の始まりです。これが常連客の間で「酎ハイ」と略され、現代のチューハイ文化の礎となりました。1984年には宝酒造から日本初の缶入り辛口RTD「タカラcanチューハイ」が発売され、全国へ爆発的に普及しました。

サワーの語源:英語の「sour」と博水社「ハイサワー」の歴史

一方、サワーの語源は英語の「sour(酸味のある・酸っぱい)」に由来します。アメリカのバーカクテルにおいて、スピリッツ(ジンやウイスキーなど)にレモンやライムなどの柑橘果汁と砂糖などの甘味を加えて作る「サワーカクテル」が本来の原型です。

日本で「サワー」という呼称が大衆に浸透した契機には、2つの大きな起爆剤がありました。1つ目は、1960年代に東京・中目黒の老舗居酒屋「もつ焼き ばん」の創業者が、甲類焼酎に炭酸水と生のレモン果汁を絞り入れる飲み方を提案し、「爽やか(サワー)」と名付けて提供したことです。

2つ目は、1980年に割り材メーカーの博水社が発売した「ハイサワー(レモン)」の大ヒットです。「わ・る・な・ら・ハイサワー」のキャッチコピーとともに、果汁入りの割り材ボトルが全国の居酒屋へ流通したことで、「焼酎+炭酸+果汁=サワー」という方程式が日本中に定着しました。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。