藤原基央の愛用ギター徹底解剖|黄色いレスポールスペシャルと機材の全貌
藤原基央のアイコンとして世界中のファンに知られるのが、1960年製ギブソン・レスポール・スペシャル(Gibson 1960 Les Paul Special Single Cutaway)、カラーは通称「TVイエロー」と呼ばれるライムド・マホガニー仕上げの1本です。このヴィンテージギターと彼との出会いは、バンドがインディーズからメジャーへと駆け上がっていた2001年前後に遡ります。
当時、藤原はメインとなるギターを探して都内のヴィンテージ楽器店を巡っていました。当時の音楽専門誌のインタビューで本人が語った回想によると、店内に並ぶ無数のギターの中からふと手に取り、アンプを通さずに生音でコードを鳴らした瞬間、「あ、これだ」と直感したといいます。ネックを握った時の吸い付くようなグリップ感、そして何よりも「まるで最初から自分のために用意されていたかのような弦の鳴り」に衝撃を受け、即決で購入に至ったのが真相です。
しかし、単なる直感だけではなく、アンサンブルの観点からもこの選択には極めて合理的な必然性がありました。レスポール・スペシャルに搭載されているピックアップ「P-90」は、一般的なストラトキャスターなどのシングルコイルよりも中低域が太く、通常のレスポールに載っているハムバッカーよりも高域の歯切れと抜けが良いという独特の音響特性を持っています。
リードギターを担当する増川弘一がギブソン・レスポール・スタンダードなどの重厚なハムバッカーサウンドを奏でるのに対し、藤原がP-90のレスポール・スペシャルを掻き鳴らすことで、2本のギターの帯域が衝突することなく綺麗に分離します。さらに、藤原特有のしゃがれた倍音豊かな歌声のレンジを塞がず、歌の真後ろで芯のあるコード感を支えるのに、1960年製レスポール・スペシャルの持つレスポンスが完璧に合致したのです。