シャツのボタンが男女で左右逆の理由は?歴史の謎と現代の選び方を解説
日本人が洋服の前合わせに対して抱きやすい混乱の一つに、「和服(着物)のルールとの衝突」があります。日本の伝統的な和装と西洋から輸入された洋服では、前合わせに対する思想と構造が根本的に異なります。
冠婚葬祭やビジネスシーンでの装いにおいて恥をかかないためにも、両者の歴史的背景と基準の違いを正しく把握しておく必要があります。
日本では奈良時代の元正天皇によって発布された「衣服令(えぶくりょう)」において、貴賎を問わず庶民に至るまで右衽(みぎおくみ=右前)で着物を着ることが義務付けられました。このため、亡くなった方に着せる死装束の時だけ現世と逆の「左前(左衽)」にする風習が定着しました。この文化的刷り込みがあるため、年配層を中心に「女性用洋服の左前合わせ」に一瞬違和感を覚える人がいますが、洋装の世界基準では女性の左身頃ボタン配置こそが正統なクラシックスタイルです。