日本シリーズ過去の対戦成績と歴代優勝一覧!最強球団と逆転劇の真相
どれほど事前の戦力分析が精緻を極めていても、筋書き通りに進まないのがスポーツの醍醐味です。日本シリーズ伝説の逆転名勝負として、半世紀以上が経過しても色褪せないのが1958年の西鉄ライオンズ対読売ジャイアンツの激突です。
開幕から巨人に3連敗を喫し、完全に王手をかけられた西鉄。第4戦が雨天順延となったことで生まれたわずかな間隙に、三原脩監督はエース・稲尾和久投手の連続投入を決断します。稲尾投手は第4戦から第7戦まで4日連続で先発・救援登板を果たし、自らのサヨナラ本塁打を含む大車輪の活躍で奇跡の4連勝を達成。「神様、仏様、稲尾様」という言葉は当時の流行語となり、プロ野球史に不滅の足跡を刻みました。稲尾投手がのちに自著や特番インタビューで語った「マウンド上では疲労を通り越し、指先の感覚だけが研ぎ澄まされていた」という独白は、極限状態が生んだアスリートの神秘として語り継がれています。
もうひとつの伝説は、1989年の近鉄バファローズ対読売ジャイアンツの一戦です。近鉄が3連勝し、第3戦で勝利投手となった加藤哲郎投手のヒーローインタビューでの発言が「巨人はロッテより弱い」とメディアによって大きく報じられたことで、シリーズの潮目が激変しました。屈辱に燃えた巨人打線が第4戦から一気に奮起。第7戦では駒田徳広選手が先制本塁打を放ち、塁上で相手ベンチに向かって叫んだ場面は球史に残るハイライトとなりました。巨人が3連敗からの4連勝で大逆転日本一を果たし、駒田選手が見事に歴代日本シリーズMVP受賞選手の栄誉に輝いています。
短期決戦のMVPには、ペナントレースの主役とは異なる「シリーズ男」が突如として現れるケースが少なくありません。1979年の近鉄対広島で生まれた「江夏の21球」(江夏豊投手)、2010年ロッテの下剋上日本一を牽引した今江敏晃選手など、極度の緊張感の中で自らの殻を破った選手たちが、歴史を大きく塗り替えてきたのです。