氷川きよしの性別と現在の真相|Kiina. が選んだ自分らしさの理由
デビュー以来、氷川きよしは「演歌界のプリンス」として、礼儀正しく爽やかな好青年という完璧なパブリックイメージを背負い続けてきました。中高年層を中心とするファンの期待に応え、日本レコード大賞をはじめとする数々の栄冠を手にした裏で、本人の心の中では深刻なアイデンティティの危機が進行していました。
当時の苦悩について、本人は特番のインタビューや自著・手記の中で次のように赤裸々に告白しています。
「小さい頃からナヨナヨしているとからかわれ、男らしく生きなきゃと自分を押し殺してきた。でも、40歳を過ぎたとき、このまま嘘をついて一生を終えるのは嫌だ、本当の自分をさらけ出して歌いたいと思った」
大きな転換点となったのが、2019年に発表されたアニメ『ドラゴンボール超』のオープニング曲『限界突破×サバイバー』でした。アイラインを引き、ロック調の激しいナンバーをシャウトする姿は世間に鮮烈な衝撃を与えました。この時期を境に、雑誌のグラビアやSNSでウエディングドレス風の純白衣装やショートパンツ姿を披露するなど、従来の演歌歌手の枠を完全に打ち破る表現を展開するようになりました。
2019年末の『週刊文春』や『GQ JAPAN』などのインタビューで語られた言葉は、長年のファンだけでなく、生きづらさを抱える多くの現代人の心を揺さぶりました。「男らしく」という他者からの規範を脱ぎ捨てた背景には、表現者としての限界と、一人の人間としての尊厳を取り戻すための決死の覚悟が存在していました。