大人のぐらぐらな歯を抜く方法は?自力抜歯のリスクと正しい応急処置
大人の歯が自然に揺れ始める背景には、例外なく深刻な口腔内の病変が存在します。主に考えられる原因は以下の3点に集約されます。
第1の原因は、成人の歯を失う最大の要因である歯槽骨吸収とぐらつきを伴う重度歯周病です。歯周病菌が長期にわたって歯周ポケット深くに定着すると、免疫反応と炎症によって歯を支える土台である歯槽骨が徐々に溶かされていきます。骨の支持を50%〜70%以上失った歯は支柱を失った電柱のような状態となり、軽度の外力でも前後左右、さらには上下に動揺するようになります。
第2の原因として見落とせないのが、神経を過去に抜いた歯に頻発する歯根破折(しこんはせつ)です。神経を失った失活歯は血流による栄養供給が途絶えているため、乾燥した枯れ木のように脆くなっています。そこに無意識の歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)、硬い食品を噛んだ際の過度な咬合圧が加わると、歯の根が縦に真っ二つに割れてしまいます。割れた隙間に細菌が侵入して急激な骨吸収が起こり、昨日まで普通だった歯が突如として激痛とともにグラつき出すのです。
第3の原因は、転倒や強打による外傷、あるいは咬合性外傷です。噛み合わせの一部だけが強く当たり続けることで歯根膜に急性炎症が起き、一時的な動揺が生じます。いずれの原因にせよ、グラグラした歯が自然放置や民間療法で元の健康な状態に戻ることは医学的にあり得ません。