アメトラとは?アイビー・英国調との違いと名品で魅せる大人コーデ術
アメトラの魅力を語る上で欠かせないのが、流行に左右されない「三種の神器」と呼ばれるマスターピースたちです。これらのアイテムは単なる衣服を超え、背景にある機能美とストーリーを宿しています。
第一に挙げるべきは「紺ブレザー(ネイビーブレザー)」です。アメトラ仕様のジャケットには、明確な職人規律が組み込まれています。第一ボタンの裏側が返る「段返り3つボタン」、パットを排して着る人の肩に自然に沿う「ナチュラルショルダー」、背面に刻まれたカギ型の「センターフックベント」、そして腰の「パッチ&フラップポケット」。胸元に燦然と輝く金ボタンや真鍮ボタンは、格式と軽快さを同時に演出します。
紺ブレザーの着こなしにおいて重要なのは、下半身のテクスチャー選びです。正統派を目指すならミディアムグレーのウールトラウザーズ、オフのきれいめスタイルであればハリ感のあるベージュのチノパンやワンウォッシュのセルビッジデニムを合わせることで、端正な佇まいが完成します。
第二の神器が「ボタンダウンシャツ(BDシャツ)」です。1896年、ブルックスブラザーズの創業者一族であるジョン・E・ブルックスが、英国のポロ競技選手が着用していたユニフォームの襟が風で煽られないようボタン留めされていた点に着目し、ドレスシャツに応用したのが起源とされています。厚手のオックスフォード生地を用い、ノーネクタイでも襟元が美しい弧を描く「ロール感」こそが、アメトラシャツの生命線です。
そして足元を支える第三の神器が「ペニーローファー(コインローファー)」です。1930年代に米国のG.H.Bass社が「ウィージャンズ(Weejuns)」の名で発表したスリッポン型革靴が原型となりました。甲部分のサドル(切れ込み)に学生たちが幸運を祈って1セント銅貨(ペニー)を挟んだことからその名が定着しました。紐靴ほど堅苦しくなく、スニーカーほどラフにならない絶妙な品格は、ジャケパンスタイルにおける絶対的なバランサーとして機能します。