成田山新勝寺うなぎの真実|名物の理由と行列店ランキング2026
表参道にひしめく名店の中でも、料理の技法、秘伝のタレ、空間の風情において全国から高い評価を集める上位4店舗を厳選し、取材現場の知見から解説します。
1位:川豊 本店(かわとよほんてん)|職人の早捌きと創業以来継ぎ足されたタレ
明治43年(1910年)創業の「川豊 本店」は、成田山のうなぎ文化を象徴する屈指の存在です。木造3階建ての風情ある数寄屋造りの店舗前では、熟練の職人が流れるような手さばきでうなぎを捌き、串を打つ実演が行われており、参道を行き交う人々の足を止めます。川豊のうなぎは、白焼きした後に蒸しを入れ、創業以来継ぎ足し守られてきた少し甘めの秘伝ダレにくぐらせて備長炭で焼き上げる関東風。口の中でとろけるようなふっくらとした食感と、香ばしい炭の薫香のバランスが絶妙です。
2位:駿河屋(するがや)|下総醤油と三河味醂が織りなす極上のコク
成田山新勝寺の総門すぐ脇に店を構える「駿河屋」は、寛政年間(江戸時代中期)に旅籠として創業した歴史を誇ります。徹底した品質管理のもと、時期ごとに最良の国産うなぎを厳選し、静岡県大井川の幻の共水うなぎを扱うことでも知られています。駿河屋の最大の特徴は、千葉県産の伝統的な下総醤油と三河の本みりんをじっくり熟成させたタレにあります。注文を受けてから職人が蒸しと焼きに入るため提供までに時間を要しますが、肉厚で弾力のある身質と、奥深いタレのキレは舌の肥えた食通からも絶賛されています。
3位:菊屋(きくや)|宮内庁御用達の歴史と多彩な日本料理
表参道の中ほどに位置する「菊屋」は、市川團十郎家との縁も深く、かつて宮内庁へ川魚を納めていた名刹ゆかりの老舗です。看板の「国産鰻重」は、あっさりとした上品な甘みのタレがうなぎ本来の淡白な旨味を引き立てています。うなぎ専門店でありながら、刺身や天ぷら、小鉢料理が揃う日本料理の割烹としての側面も持ち合わせており、テーブル席から小上がりの座敷まで落ち着いた空間で食事が楽しめます。事前予約を受け付けている点も、計画的な参拝を好む訪問者から支持されています。
4位:近江屋(おうみや)|江戸の風情を今に残す参道随一の古刹店
約300年の歴史を持ち、かつては成田詣の定宿として栄えた「近江屋」。店内には昔ながらの帳場や中庭が残り、江戸の情緒を肌で感じることができます。近江屋の蒲焼きは、香ばしさを際立たせるやや辛口のタレが特徴で、米の一粒一粒にタレと脂が染み渡る調和が魅力です。名物のうな重はもちろん、鯉のあらいや肝焼きなど、伝統的な川魚料理の技術を今に伝えています。