シクラメンの育て方|枯らさず毎年咲かせる水やりと置き場所の極意
冬本番を迎える頃、購入したばかりのシクラメンの葉が外側から黄色く変色し、慌てる愛好家は少なくありません。植物生理学の観点から検証すると、シクラメンの葉が黄色くなる原因の約8割は、人間にとって快適な居住空間とシクラメンが求める生育環境のミスマッチに起因しています。
シクラメンは地中海沿岸の冷涼な気候を原産とする球根植物です。日本の冬の室内において最も致命的なストレスとなるのが「暖房器具による高温と乾燥」です。室温が20℃を超える部屋に長時間置かれると、株は蒸散スピードに吸水が追いつかず、自己防衛のために下葉を黄変させて落とし始めます。健全な開花を維持するためのシクラメンの冬の温度管理における理想的な温度帯は5℃〜15℃です。暖房の効いていない玄関ホールや、日当たりの良い涼しい廊下の窓辺こそが最適なシクラメンの室内置き場所となります。
もう一つの重大な要因が「水やりの頻度とタイミング」です。土の表面が乾いていない状態で毎日機械的に水を与え続けると、鉢内が酸欠状態に陥り根腐れを引き起こします。上から水やりを行う鉢植えの場合、基本は「土の表面が白く乾き、鉢を持ち上げて軽くなったとき」に鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えるのが鉄則です。その際、球根の中心部に直接水をかけると球根が腐敗しやすいため、鉢の縁から静かに注ぎ込む技術が求められます。
近年主流となっている底面給水鉢の場合、シクラメンの底面給水のコツとして「受け皿の水を完全に切らさないこと」と「定期的なリフレッシュ」が挙げられます。貯水部に常に水がたまっている状態が続くと、老廃物や肥料の塩類が集積しやすくなります。月に1〜2回は底面給水を止め、上部からたっぷりと水を与えて土の中の老廃物を洗い流す処置が株の健康を劇的に向上させます。