開票速報に熱狂する選挙オタクの生態|政治マニアとの決定的違い

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このディープな世界を語る上で欠かせないのが、選挙取材を一大ノンフィクション・エンターテインメントへと昇華させた表現者たちの存在です。その筆頭が、フリーランスライターの畠山理仁氏と、時事芸人のプチ鹿島氏の2人です。

畠山理仁氏は、著書『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で第15回開高健ノンフィクション賞を受賞したことで知られます。主要メディアが泡沫候補と片付け、演説内容すら報じない無頼系独立候補たちに何十年も密着し、全候補者の演説を最初から最後まで聞き届けるその愚直な姿勢は、選挙オタク界隈のバイブルとなりました。小選挙区の供託金300万円(比例重複なら計600万円)を没収されるリスクを背負ってまで、なぜ彼らは街頭に立ち叫ぶのか。畠山氏の取材は、選挙という制度の根底にある「表現の自由」と「民主主義の尊厳」を生々しく炙り出しました。

一方、プチ鹿島氏は、新聞各紙の読み比べを通じて政治の舞台裏をプロレス的に読み解く手法を確立しました。自著『ヤバい選挙』や映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』周辺の言説でも見られるように、候補者の発言の矛盾や、選対本部の「大本営発表」の行間からにじみ出る本音をユーモアたっぷりに切り取ります。鹿島氏の視点は、選挙を権力者たちの神聖な儀式から、誰もがツッコミを入れながら楽しめる「最高峰の人間劇場」へと引き戻しました。

両氏の活動によって、市井の人々の間にも「メディアが報じるダイジェストの外側にこそ、最高に面白い選挙の真実がある」という共通認識が定着していったのです。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。