イスラエルのネタニヤフ首相はなぜ退陣しない?逮捕状と強硬姿勢の真相

イスラエルのネタニヤフ首相はなぜ退陣しない?逮捕状と強硬姿勢の真相の詳細について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

国内の孤立に加え、国際社会における包囲網もかつてない厳しさを迎えています。オランダ・ハーグに本拠を置く国際刑事裁判所(ICC)は、ネタニヤフ首相とガラント前国防相に対し、戦争犯罪および人道に対する罪の容疑で逮捕状を発付しました。ガザ地区における意図的な飢餓の利用や民間人への無差別攻撃が国際人道法に違反していると判断されたためです。

この逮捕状の発行により、日本や英国、ドイツ、フランスなどを含むICC加盟国120カ国以上において、ネタニヤフ氏が領内に入った場合には身柄を拘束する法的義務が生じることになりました。西側諸国の現職指導者に対してこのような措置が執られるのは前代未聞であり、イスラエル外交にとって壊滅的な打撃となっています。

頼みの綱であるアメリカとの関係も、極めて複雑な力学で揺れ動いています。歴代政権は巨額の軍事支援を続けてきたものの、民主党バイデン政権下では民間人被害の拡大や停戦協議の停滞を巡って激しい摩擦が生じ、首脳間の電話会談で怒号が飛び交う場面も報じられました。一方、トランプ氏が提示した包括的な和平提案に対しても、ネタニヤフ氏は「ハマスの完全武装解除が唯一の撤退条件だ」として頑絶する姿勢を崩していません。アメリカ国内でも中東政策を巡る世論の分断が進むなか、ネタニヤフ氏は米議会の親イスラエル派勢力を巧みに利用しながら、ワシントンからの圧力すらも自らの政権延命のカードとして利用する綱渡りを続けています。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。