映画『幕が上がる』主題歌の真相|ももクロ「青春賦」と劇中曲を徹底解剖
映画公開のわずか3ヶ月後、2015年5月に東京・Zeppブルーシアター六本木で上演された舞台版『幕が上がる』。映画版と同じキャスト・同じ本広克行演出によって上演されたこの舞台でも、主題歌「青春賦」は中心的な役割を果たした。
しかし、劇場空間における音楽の機能は映画とは明確に異なっていた。映画版の「青春賦」は、カメラのクローズアップや編集によって整理された映像の「結び」としての役割を担っていたのに対し、舞台版では生の役者の呼吸、板張りのステージを踏みしめる足音、そして客席の緊張感と直に混ざり合う「空間共鳴装置」として機能したのである。
当時の観劇レポートや関係者インタビューによれば、舞台の幕が下りる瞬間、メンバーが静まり返った劇場でアカペラに近い形で主題歌の一節を歌い出した際、観客席からは息を呑む音とすすり泣きが漏れ聞こえたという。録音された映画音源の完璧な美しさとは対照的に、舞台版では「その日、その場所でしか鳴らない生の歌声」として響いた主題歌。これによって『幕が上がる』というコンテンツは、映画と舞台という二つの異なる表現媒体において、音楽を通じた完全な円環構造を完成させた。