表舞台を去った松岡俊介の真実、富士山麓の自給自足と魂のモノづくり

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2000年代後半以降、松岡俊介はテレビの世界から徐々に距離を置き始める。そして選んだ新たな拠点が、静岡県と山梨県にまたがる富士山麓の深い森だった。電気やガスを極力引かず、薪を割り、湧き水を汲み、土を耕す。徹底した自給自足に近いライフスタイルへの転換は、メディアを騒然とさせた。

なぜ彼は、あれほど輝かしいキャリアを捨てて山へと向かったのか。その動機は、消費スピードが加速し続ける商業主義への違和感にあった。演じること自体に嘘をつきたくないという純粋すぎる職人気質が、次々と消費されては忘れ去られる都会のサイクルと乖離していったのだ。

自然のサイクルに身を委ね、家族とともに薪ストーブの火を囲む日々。かつて東京の最前線でスポットライトを浴びていた男は、自らの手で薪を割り、大地に根ざすことで、人間としての根源的な手触りを取り戻していった。そこには世俗の評価に惑わされない、研ぎ澄まされた静寂が広がっている。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。