梶原靖元と古唐津の真髄|土と窯に生きた陶芸家の軌跡と極意
梶原の作陶において最も特筆すべきは、原料に対する執念とも言えるこだわりだ。彼は精製された市販の粘土をほとんど使わない。地元の山に入り、自らの手で砂岩(さがん)を採掘する。
掘り出した硬い砂岩を破砕し、水に晒し、不純物を調整して土を作り上げる。この砂岩由来の土こそが、古唐津特有のざっくりとした力強い素地を生み出す鍵だ。釉薬も同様に、藁や雑木を焼いた灰を基に自作する。鉄絵を描く絵の具も、鉄分の多い地元鉱石から調合する。すべての工程で自然の素材と対話し、機械的な均一性を徹底的に排除している。