「お値打ち」の本当の意味とは?安いとの違いや方言のルーツを徹底解剖
「お値打ち」というフレーズの広がりを語る上で欠かせないのが、愛知県・岐阜県・三重県を中心とする東海エリア(中京圏)の言語文化です。言語学や方言研究の記録をたどると、共通語としての基盤を持ちつつも、日常の話し言葉として爆発的な頻度で使いこなしてきたのは名古屋弁をはじめとする東海地方の住民でした。
名古屋の商業者や生活者は、歴史的に「堅実な金銭感覚」と「本物志向(見栄と実利のバランス)」を重んじる気質が強いとされます。単にケチるのではなく、「良いものを適正より安く手に入れること」を最上の美徳とする文化圏において、「お値打ち」は最高の褒め言葉として定着しました。
かつては関西や関東で「方言」「名古屋特有の言い回し」と捉えられる場面もありましたが、チェーン展開する外食企業や大手スーパーが広告コピーに「お値打ち価格」を採用したことで、2000年代以降急速に全国的な共通語彙として受容されていった経緯があります。