昭和の夜を狂わせた元祖美少女・小林ひとみ伝説の真実と再評価の波
ビデオの世界で頂点を極めた彼女の歩みは、やがて劇場用スクリーンへと向かう。日活ロマンポルノが終焉を迎えつつあった過渡期において、新東宝映画をはじめとするスクリーンへの進出は、彼女の表現欲が単一のメディアに収まりきらなかった証拠でもある。映画館の暗闇の中で映し出される彼女の肢体と憂いを帯びた表情は、ビデオの粗い走査線とは異なる重厚な陰影を帯びていた。
日本映画の系譜において、成人映画は常に優れた監督や技術者を育む実験場であった。彼女はその中心で、主役としての風格を遺憾なく発揮した。大スクリーンのクローズアップに耐えうる端正な容姿と、ふとした瞬間に見せる乾いた孤独感。単なる時代の消費物として終わることを拒むかのようなその演技は、映画評論家や玄人筋からも静かな称賛を集めることになる。