「負けないで」歌詞に隠された真実と坂井泉水が託したメッセージ
レコーディング現場において、坂井泉水の美学は細部にまで徹底していた。ボーカル録りの最終段階まで、一文字の音の響きや助詞の選択に頭を悩ませていたというエピソードは、今や音楽関係者の間で語り継がれている。サビ前のフレーズの息遣いやテンポ感には、彼女が何度もマイクの前で歌い直し、試行錯誤を重ねた成果が刻まれている。
また、スタッフに対して「あまり大げさな言葉を使わずに、普段の会話で使うような温かい言葉で励ましたい」と語っていたという。一見シンプルに見える詞の裏側には、聴き手の心にすっと入り込むための細やかな気配りと、表現者としての妥協なき情熱が隠されていた。この直向きな姿勢こそが、幾多の応援ソングが存在する中でも本作を「金字塔」と言わしめる最大の理由である。