宇多田ヒカル『道』歌詞の意味と藤圭子への想い|復帰作の真相
音楽理論の観点からも、『道』は極めて高度なポップスとして設計されています。宇多田ヒカル自身、インタビューなどで「アルバムの幕開けとして、元気に『私は大丈夫だよ』と宣言する曲にしたかった」と語っています。
サウンドの基軸となっているのは、疾走感のある4つ打ちのハウスビートと、オーガニックな生楽器の融合です。特筆すべきはメジャーとマイナーを絶妙に行き来するコード進行にあります。明るく開放的な響きを持たせつつも、要所で切なさを帯びたマイナーコードを滑り込ませることで、単なる能天気なポップソングにはない「影」と「哀愁」を巧みに共存させています。
また、幾重にも重なる宇多田ヒカル自身のバックコーラスは、まるで自分自身の内面や亡き母の声が空間全体に反響しているかのような立体感を生み出しており、エンジニアリングの面でも国内外から絶賛を集めました。