裏千家を支え抜いた千玄室の妻・千登三子夫人の生涯と家系図の真実
二人の出会いは昭和の復興期、名門同士の良縁として結ばれました。太平洋戦争で海軍特攻隊の生き残りという苛烈な青年期を過ごした千玄室氏は、「生き残った命を茶道による世界平和のために捧げる」という強い覚悟を胸に抱いていました。そんな千玄室氏の志を誰よりも深く理解し、生涯の伴侶として受け入れたのが登三子夫人でした。
結婚後の生活は多忙を極めました。千玄室氏が「一盌からピースフルネスを」の理念を掲げて世界各国を飛び回る中、日本国内の留守を預かり、日々の稽古や全国の支部運営を滞りなく仕切ったのが登三子夫人です。遠く離れた海外遠征の際も、手紙や連絡を欠かさず励まし合い、茶道を国際的な文化へと押し上げる二人三脚の歩みが続きました。千玄室氏は後年、「妻がいなければ、今日の裏千家も、私の世界行脚もあり得なかった」と述懐しています。