熊本地震から10年、新病院が刻む「命の砦」の現在地――最先端医療と地域連携で挑む熊本市民病院の未来
急性期医療を終えた患者が、住み慣れた自宅や地域社会へスムーズに戻るための「退院支援」も同院の大きな柱だ。医療ソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士、地域連携看護師が多職種でチームを組み、入院早期から患者一人ひとりの生活背景に踏み込んだ支援計画を策定する。
かかりつけ医や訪問看護ステーション、介護事業所との情報共有には、高度に暗号化された地域医療連携ネットワークが活用されている。病院のベッドの上で治療を完了させるだけでなく、患者が地域で自分らしく暮らし続けられるか。熊本市民病院の視線は、常に病室の壁を越えたその先の暮らしへと注がれている。