喪黒福造は何がしたい?無償で客を破滅へ導く真の目的と正体の謎
1989年からTBS系列の『ギミア・ぶれいく』内で放送されたアニメ版によって国民的知名度を得た本作ですが、1968年に『ビッグコミック』で連載された初期原作『黒イせぇるすまん』とアニメ版では、作品のトーンに明確な違いがあります。
アニメ版の喪黒福造は、大平透氏の怪演も相まってどこかコミカルで愛嬌のあるキャラクターとして演出されていました。一方、原作の喪黒福造はよりドライで冷酷、かつエロティシズムやグロテスクな描写を辞さない怪人物として描かれています。
藤子不二雄Ⓐ氏が青年漫画誌で描きたかったのは、高度経済成長期からバブル期にかけて肥大化していった「人間の底なしの物欲とエゴ」への強烈な皮肉でした。アニメ版のマイルドなエンターテインメント性の裏には、人間の暗部を容赦なくえぐる鋭利な作家性が潜んでいます。