楳図かずお・まことちゃんハウスの現在|裁判の真相と解体・保存の行方
楳図かずお氏が長年愛し、創作の拠点とした街が東京都武蔵野市吉祥寺です。2007年、その閑静な住宅街の一角に突如として計画された新居は、着工直後から瞬く間に全国ニュースの標的となりました。トレードマークである外観の赤白ボーダー(赤白ストライプ)を壁面全面にあしらい、屋上には代表作『まことちゃん』のシンボル像を設置するという奇抜な設計プランが明らかになったためです。
住宅の建設にあたり、建築基準法に基づく建築確認の経緯は完全に適法な手続きを踏んでいました。建蔽率や容積率、構造安全性といった法規上のハードルはすべてクリアしていたものの、高級住宅街としての景観維持を重んじる一部住民から強い反発の声が上がったのです。現場には連日報道陣が詰めかけ、「個人の表現の自由か、地域の景観維持か」という大きな社会論争へと発展していきました。