便秘薬でだるい?高マグネシウム血症の初期症状と命を守る回避策
もし高マグネシウム血症が疑われた場合、医療現場ではどのような治療が行われるのでしょうか。基本原則は「これ以上のマグネシウム流入を断つこと」と「体内からの強制排泄」、そして「心臓への致死的影響の即時遮断」です。
第一に講じられるのは、原因となっている酸化マグネシウム製剤や制酸薬の即時服用中止です。軽度の段階であれば、服用をやめて適切な水分補給を行うだけで、腎機能が保たれていれば自然に数値は低下していきます。
しかし、中等度から重度に進展している場合は一刻を争う急性期対応が要求されます。速やかに生理食塩液などの点滴による十分な細胞外液の補充を行い、同時にフロセミドなどのループ利尿薬を投与して尿中へのマグネシウム排泄を促進させます。
さらに、心電図上でPR間隔の延長やQRS波の幅増大といった危険な変化が確認されたり、血圧が極度に低下している重篤な急性期においては、特効薬的な役割を果たすグルコン酸カルシウムの静脈内投与が決行されます。カルシウムイオンは、マグネシウムが持つ心筋抑制作用や神経筋接合部遮断作用に対して真っ向から競合して拮抗するため、一時的に心停止のリスクを回避させる強力な盾となります。
ただし、カルシウム投与は心毒性を一時的に抑える対症療法に過ぎません。すでに腎不全に陥っている患者や、薬物療法でも血中濃度が速やかに下がらない極めて危険な症例に対しては、物理的に血液中からマグネシウムを濾過・除去する緊急血液透析(人工透析)が最終手段として選択されます。