なぜ300万円を捨てて出馬?泡沫候補の真の狙いと政見放送の裏側
都道府県知事選挙に出馬するためには、300万円の供託金を現金または国債で法務局に納めなければなりません。国政の衆議院小選挙区でも300万円、参議院比例代表では600万円もの大金が必要です。一般感覚からすれば「没収されると分かっていてなぜ払うのか」と疑問を抱くのは当然でしょう。
彼らが莫大な費用を払ってまで立候補する背景には、極めて合理的、あるいは強固な動機が存在します。
1. メディア露出による圧倒的な「売名・広報効果」
テレビのキー局で数分間のインフォマーシャル(広告)を放映する場合、数千万円単位の広告費用がかかります。しかし、知事選に出馬すれば300万円の供託金だけで、NHKや民放のゴールデンタイム・準ゴールデンタイムに自身の映像をノーカットで複数回放送させることが可能です。自身のYouTubeチャンネルの登録者増加、ビジネスの認知度向上、書籍のプロモーションとして考えれば、「300万円は破格の広告宣伝費」と計算する候補者が後を絶ちません。
2. 独自の政治信条や危機感の啓発
既存の政党やメディアでは一切取り上げられない独自の思想、陰謀論、あるいは特定の社会問題(税制、科学技術、医療問題など)を世の中に問題提起したいという純粋な信念から出馬するケースです。「落選は百も承知だが、社会に一石を投じるための活動費として300万円を拠出している」というタイプです。
3. 承認欲求と人生の記念受験
公職選挙法に基づき、一度立候補すれば公式の「選挙公報」に自分の名前と顔写真、経歴が掲載され、自治体の全世帯に配布されます。また公営掲示板に自分の顔写真が数千箇所に掲示されるため、究極の自己顕示欲を満たす手段として立候補する人物も少なくありません。