コート紙とは?上質紙との違いや厚さの選び方をプロが徹底解説
ネット印刷で発注する際、初心者が最も戸惑うのが「73kg」「90kg」「110kg」といった厚みの表記です。この「kg」は斤量(きんりょう)と呼ばれ、原紙サイズ(一般的には四六判:788×1091mm)の紙を1,000枚(1連)重ねたときの総重量を表します。つまり、数字が大きくなるほど紙は厚く、しっかりとした硬さ(コシ)を持ちます。
印刷現場で最も頻繁に比較されるのが、コート紙90kgと73kgの違いです。
コート紙73kgは、新聞折込チラシの代名詞とも言える薄手の用紙です。コピー用紙(一般的に約64g/m²、四六判換算で約55kg〜58kg)よりはややしっかりしているものの、光にかざすと裏面の印刷がやや透けて見えます。新聞折込のように「他の紙と一緒に届けられ、すぐに閲覧されて廃棄される」用途では、配送コストや用紙代を極限まで圧縮できるため、数十万枚単位の大量配布で圧倒的な威力を発揮します。
対するコート紙90kgは、ネット印刷のチラシ・フライヤー印刷で不動の標準として選ばれている厚みです。適度な厚みとコシがあり、両面印刷を施しても裏透けがほとんど気になりません。街頭での手渡し配布、ポスト投函(ポスティング)、店頭のレジ横設置など、単体で手渡されてもペラペラとした安っぽさを感じさせない絶妙なバランスを保っています。
用途別のコート紙の斤量目安は以下の通りです。
- 53kg〜73kg:新聞折込チラシ、大量配布のスーパー特売チラシ(コスト最優先)
- 90kg:一般的なチラシ、販促フライヤー、折込パンフレット(万能の標準厚)
- 110kg:会社案内、製品カタログ、少し高級感を出したい二つ折り・三つ折りリーフレット
- 135kg:ポスター・フライヤー向け用紙、単独の展示会案内、飲食店のメニュー表
紙の厚みは、受け取った相手が無意識に感じる「情報の信頼度」に直結します。企業の理念を伝える会社案内をペラペラの73kgで作ってしまうと、チープな印象を与えかねません。目的と配布導線に応じた適切な斤量設計が不可欠です。