街路樹から消えるプラタナス!皮が剥がれる謎と伐採が進む本当の理由
街を歩く人々から自治体へ寄せられる相談の中で際立って多いのが、「街路樹の幹がボロボロに剥がれて腐りかけている」という通報です。しかし樹木医や植物学者の見解によると、この現象は異常事態ではなく、プラタナスの木の特徴である正常な新陳代謝にほかなりません。
プラタナス(スズカケノキ科スズカケノキ属)は、極めて成長速度が速い落葉高木です。春から夏にかけて幹の内側にある「形成層」が細胞分裂を激しく繰り返し、幹自体が急速に太くなります。ところが、最も外側にある古い樹皮には伸縮性がありません。内側からの強い肥大成長圧力に耐えきれなくなった外皮がひび割れ、パリパリとした薄片となって剥落していく仕組みです。
人間で言えば成長期の子どもが服を脱ぎ捨てるようなものであり、爬虫類の脱皮にも似ています。剥がれた直後の幹は白っぽいスベスベとした若肌を覗かせ、やがて緑色や灰褐色へと変化。これがまだら模様の美しい「迷彩柄(カモフラージュパターン)」を形作ります。さらに、樹皮を定期的に更新することで、都市の煤煙や大気汚染物質を外皮ごと排出し、気門の詰まりを防いで呼吸を保つ自浄作用も果たしています。