まむし指の真実|原因や遺伝確率から治し方・ネイル術まで徹底解剖
医学界において、いわゆる「まむし指」は短母指症(Brachydactyly type D:BDD)、あるいは広義の短指症の一種として分類されます。親指の先端にある「末節骨(まっせつこつ)」の成長板が通常よりも早く閉鎖することにより、骨の縦の成長が止まり、横幅のみが発達することで独特の平たい形状が形成されます。
多くの当事者が気に病むポイントとして「幼少期の指しゃぶりやピアノの弾き方が悪かったのではないか」という自責の念が挙げられますが、日本形成外科学会等の知見に基づけば、まむし指の原因は遺伝などの先天的要因に限定されます。後天的な生活習慣や怪我によって自然発生するものではありません。
遺伝様式としては「常染色体顕性(優性)遺伝」の形式をとることが知られています。親のどちらかが短母指症である場合、遺伝学上の理論値では約50%の確率で子へ引き継がれます。ただし、浸透率(遺伝子を持っていても実際に形質として現れる割合)の個人差や短母指症における隔世遺伝のパターンも数多く報告されており、「両親は標準的な指なのに、祖父母からの隔世遺伝によって発現した」という事例も珍しくありません。
国内外の疫学調査によると、まむし指の発生確率や割合は人種や地域によって差異があり、日本人を含む東アジア人ではおよそ1%〜2%前後の頻度で出現すると推定されています。また、男女比においては女性の発現報告がやや多く、片手のみに現れるケースと両手に対称的に現れるケースの双方が確認されています。