ごはんですよのキャラは大村崑?桃屋「のり平」のモデルと誤解の真相
桃屋と三木のり平さんのパートナーシップが始まったのは、テレビ放送が本格的な普及期を迎えていた1958年(昭和33年)のことです。当時、桃屋の主力商品であった海苔佃煮「江戸むらさき」の知名度を一気に引き上げるため、広告代理店と桃屋宣伝部が企画したのが、日本初となるテレビCMアニメシリーズでした。
当時のテレビCMは生コマーシャルや実写の静止画スライドが主流であり、本格的なセルアニメーションを用いたCMは極めて前衛的な試みでした。桃屋が白羽の矢を立てたのが、当時喜劇界の若き異才として圧倒的な支持を集めていた三木のり平さんです。第1作となった「助六編」では、歌舞伎の市川團十郎でおなじみの「助六」に扮したのり平アニメが画面狭しと動き回り、視聴者に鮮烈なインパクトを与えました。
では、肝心の「ごはんですよ!」という商品はいつ誕生したのでしょうか。歴史を紐解くと、「ごはんですよ!」の発売はアニメCM開始から15年後の1973年(昭和48年)です。従来の「江戸むらさき」は伝統的な板海苔を醤油で煮詰めた固めの食感でしたが、子どもや若い世代にも食べやすいようにトロリとしたなめらかな舌触りとあおさ海苔の風味を活かして開発されたのが「ごはんですよ!」でした。
発売にあたり、すでに国民的キャラクターとして認知されていた「のり平」の似顔絵がパッケージイラストの中央に採用されました。商品名である「ごはんですよ!」という親しみやすい呼びかけと、三木のり平さんのユーモラスなイラストが見事に調和した結果、発売と同時に爆発的なヒットを記録。以後、半世紀以上にわたって日本の食卓のシンボルとして定着することになります。