一級建築士の年収は1000万超え?ゼネコンと設計事務所の格差と現実

一級建築士の年収は1000万超え?ゼネコンと設計事務所の格差と現実の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

紙のデータだけでは見えてこない、現場の生々しい実態について、現役の一級建築士たちに取材を行いました。 都内の準大手ゼネコンで意匠設計に従事する30代男性は、かつてのアトリエ系事務所時代を振り返りながらこう語ります。

「新卒で入ったアトリエ事務所では、毎晩終電まで図面を引き、コンペ前は完徹が当たり前でした。当時の手取りは月18万円。徹夜明けに著名建築家の先生から『建築は金じゃない、情熱だ』と説かれ、魂を削っていました。30歳で一級建築士に合格したのを機に組織系へ転職しましたが、給与は一気に年収750万円まで跳ね上がり、週休2日も確保されるようになりました。情熱だけでは家族を養えません」

大手ハウスメーカーで設計チーフを務める40代女性も、資格の重みについて次のように証言します。

「お客様と対峙する際、名刺にある『一級建築士』の肩書きは絶対的な信頼を生みます。特に数千万円から億単位の邸宅プランでは、資格の有無が指名率に直結します。基本給に加えて設計インセンティブが付くため、年間着工数が伸びた年は年収920万円に達しました。ただし、法適合確認の全責任を背負う精神的プレッシャーは相当なものです」

2026年4月から適用された「建設業の時間外労働上限規制(年960時間)」の影響により、2026年現在は業界全体の長時間労働は是正傾向にあります。しかしその結果、「残業代で稼ぐ」スタイルが通用しなくなり、「所定時間内に高品質な図面とBIMモデルを仕上げられる技術者」と「作業が遅い技術者」の間で評価と賞与の二極化が進行しています。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。