オダギリジョーのトランペットは吹き替えか?朝ドラ猛特訓の真実

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結論から明かせば、劇中で流れる超絶技巧の音源そのものは、本作のトランペット指導を担当し、劇中にもプレイヤーとして出演していた世界的ジャズ奏者・MITCH(ミッチ)氏によるスタジオ録音である。しかし、これを「単なる当て振りの吹き替え」と片付けるのは、オダギリジョーが注ぎ込んだ血のにじむような熱量を無視することに他ならない。

オダギリは撮影において、実際に音を出して演奏していた。プロの音を後から被せる手法を取る場合でも、指の運び(運指)や唇の締め方(アンブシュア)、肺から息を押し出す際の喉や首筋の筋肉の張り具合が本物と異なれば、目の肥えたジャズファンには一瞬で見破られてしまう。彼は撮影現場で実際に音を鳴らし、全身の肉体を極限までトランペッターそのものへと同調させていたのだ。

「嘘のない音の佇まい」を追求した結果、画面から溢れ出る生々しい息遣いが生まれた。吹き替え音源と本人の肉体表現が寸分の狂いもなく溶け合っていたからこそ、あの奇跡的な演奏シーンが完成したのである。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。