常識を覆す圧倒的コシ!徳島発オカベの麺が熱狂を呼ぶ深層取材
「機械で麺生地を刃物で切れば、断面の細胞が壊れてしまう。手で延ばし、ねじることでしか生まれないグルテンの網目構造こそが、命なんです」
食品製造業の世界において効率化が至上命題とされるなか、株式会社オカベを率いる岡部良忠氏は一切の妥協を排した姿勢を崩さない。同社が頑なに守り続けるのは、刃物を使わずに職人が手作業で少しずつ引き延ばしていく伝統の「手延べそうめん」製法だ。
生地をこねては休ませ、縒り(より)をかけながら何段階にも分けて細くしていく。その工程は実に十数時間。職人はその日の気温、湿度、風の強さを肌で感じ取り、塩水の濃度や熟成時間をミリ単位でコントロールする。機械任せでは決して到達できない、麺一本一本の均一な密度とシルクのような滑らかさは、この職人技からしか生まれない。
「うどんのコシとも、一般的な素麺ののど越しとも違う。噛んだ瞬間に押し返してくるような独特の弾力感は、生地を何層にも重ねてねじり延ばすからこそ宿る」と岡部氏は語る。大量生産の時代に逆行するかのような丁寧な手仕事が、他では真似のできない唯一無二の食感を生み出している。