「国民栄誉賞はおかしい」批判が噴出する真の理由と選考の裏側
政府が授与する表彰には、国民栄誉賞のほかに「内閣総理大臣表彰」などの制度も存在する。前者が内閣総理大臣の主観的決定や政治判断に依拠する割合が高いのに対し、後者はより特定の行政分野における功績に基づき手続きが整理されていることが多い。この制度的な境界線の曖昧さも、国民の混乱を招く要因だ。
内閣官房が取り仕切る手続きにおいて、なぜ特定の人物が国民栄誉賞に選ばれ、別の人物が他の表彰にとどまるのか、その線引きは外部から窺い知ることができない。制度としての法的根拠が内閣府設置法等の広範な枠組みに基づく要領レベルにとどまるため、時の首相の一声で決定されてしまう曖昧さが、制度そのものの迷走感を際立たせている。