右橈骨遠位端骨折の手術と全治期間は?後遺症を防ぐ治療と現場の真実
適切な治療を行っても、骨折の粉砕度合いや神経損傷によっては手首の機能障害や痛みが残存することがあります。交通事故や労働災害(労災)において右橈骨遠位端骨折を受傷した場合、適切な後遺障害等級の認定を受けることが正当な補償を得るための前提となります。
- 機能障害(可動域制限):
- 第10級10号:手関節の可動域が健側の1/2以下に制限された場合(著しい障害)。
- 第12級6号:手関節の可動域が健側の3/4以下に制限された場合(単なる機能障害)。
- 神経症状(疼痛・痺れ):
- 第12級13号:レントゲンやCT、MRIなどで骨癒合不全や神経圧迫が医学的に証明できる頑固な痛み。
- 第14級9号:他覚的所見はないものの、受傷の態様や治療経過から痛みの残存が医学的に説明可能な場合。
- 変形障害:
- 第12級8号:橈骨に明らかな変形を残して骨癒合した場合。
後遺障害診断書を作成する際には、可動域の計測(日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会の定める測定基準)を正確に行うこと、受傷直後からの通院実績とリハビリ継続の記録が極めて重要な判断材料となります。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
治療方針の決定において、何よりも優先されるべきは「患者が求める生活の質(QOL)と将来的な手の機能」です。以下の基準を参考に、主治医と忌憚のない議論を交わしてください。
- 手術(プレート固定)を積極的に選択すべき人:
- 右手が利き手であり、仕事や家事への早期復帰が不可欠な現役世代
- 骨折線が関節面に達し、2mm以上のズレやスミス骨折などの不安定性がある人
- 長期のギプス固定による筋力低下や関節の拘縮リスクを最小限に抑えたい人
- 保存療法(ギプス固定)を慎重に検討できる人:
- 骨折部の転位がほとんどなく、関節面が平滑に保たれている安定型骨折の人
- 重度の糖尿病や心疾患などがあり、全身麻酔や手術侵襲のリスクが高い人
- 手首への負荷が少なく、ギプス固定期間中の通院管理を厳密に遵守できる人