「お前平田だろ」の真相|藤波辰爾が暴いた覆面の掟と昭和プロレス史

「お前平田だろ」の真相|藤波辰爾が暴いた覆面の掟と昭和プロレス史にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

この事件が起きた背景には、当時の新日本プロレスを取り巻く激しい興行戦争と選手たちの精神的プレッシャーがありました。1984年秋に突如出現したマシン軍団は、増殖する覆面レスラーという斬新なギミックと将軍KYワカマツの拡声器パフォーマンスで社会現象級の人気を獲得していました。

しかし1985年3月、事態は急変します。新日本プロレスがライバル団体である全日本プロレスから大物外国人レスラー、ブルーザー・ブロディを電撃引き抜きしたのです。これにより、エースのアントニオ猪木の主敵はブロディへと一本化され、マシン軍団はメインストーリーから外れることになりました。

居場所を失いかけたマシン1号はユニット離脱を決断。一方の藤波も、猪木・ブロディ体制に対抗して自らの存在感を示さなければならないという強烈な焦燥感を抱えていました。「リング上で新しいドラマを作らなければならない」という極限の緊張状態が、計算されたアングル(筋書き)を突き破り、あの一言を引き出した最大の引き金となったのです。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。