隅肉溶接とは?開先溶接との違いや強度計算・脚長の基準を徹底解説
Q1:図面に指示するサイズは「脚長」と「のど厚」のどちらを書くのが標準ですか?
A1:日本のJIS Z 3021規格においては、隅肉溶接記号の左側に記入する数値は原則として「脚長(S)」を指示します。海外規格(ISOやAWS)の図面では有効のど厚(記号:$a$)を明記するケースもあるため、海外図面の流用時はプレフィックス記号($z$=脚長、$a$=のど厚)の有無を必ず確認してください。
Q2:隅肉溶接の強度は、なぜ引張荷重が作用していても「せん断応力」で計算するのですか?
A2:隅肉溶接部にどのような方向の外力(引張・圧縮・曲げ)が加わっても、ビード断面の最も肉厚が薄い「のど断面(45度面)」には主に応力としてすべり破壊(せん断)が先行して発生するためです。力学的な安全側の設計基準として、すべて有効のど断面におけるせん断耐力として統一評価します。
Q3:現場で脚長ゲージを使って測定する際、凸ビードの盛り上がり分は強度に加算されますか?
A3:加算されません。ビード表面が盛り上がった「余盛(余盛高さ)」は理論のど厚には含まれず、強度計算上の耐力としてはゼロ(無効)として扱われます。むしろ過剰な余盛は止端部の角度を急激にし、応力集中を悪化させるため、滑らかなフラットビードまたは適度な凹ビードが理想とされます。