平成の闇を照らした「らん ぷ 亭」の記憶——2026年、なぜ都市の路上から消えた伝説の牛丼屋が今も語り継がれるのか

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1980年代末、京樽グループの手によって誕生したこのチェーンは、最初から異風を放っていた。大手3社が洗練されたオペレーションと全国展開を急ぐ中、敢えて都心部の駅前や繁華街の一角に焦点を絞り、独特の存在感を主張したからだ。赤い提灯のモチーフは、薄暗い路地裏で「ここにおいで」と呼びかけているかのようだった。

肉の味付けも個性的だった。吉野家のすっきりした出汁、松屋の生姜が効いた風味、すき家の甘めのタレとも違う。濃厚で少しコクのある醤油ベースの汁が、固めに炊かれた白飯に染み込む。その大雑把とも言える潔さが、胃袋を減らした若者たちの心を掴んで離さなかった。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。