氷河期の森が語る2万年前の記憶!富沢遺跡の完全保存が生んだ奇跡
私たちが住む現代の都市の足元に、地球の歴史を直接物語る太古の世界が隠されている。宮城県仙台市太白区にあるこの場所は、世界的に見てもきわめて稀有な存在だ。最終氷期と呼ばれる極めて寒冷な時代、地球上の海面は低く、東北の地に生い茂っていたのはトウヒやモミを中心とする針葉樹林だった。
この場所が脚光を浴びたのは、単に古来の植物群が残っていたからだけではない。まさにその樹林の中で、旧石器時代の人類が活動していた形跡が、まるで昨日までそこにいたかのような状態で発見されたからである。樹木の根元に残された生活の微細な痕跡は、教科書の中の文字だった遠い昔の物語を、突如として手で触れられるようなリアルな現実へと変えて見せる。