ミスチル『彩り』歌詞に涙する理由|桜井和寿が託した想いと制作秘話
『彩り』が誕生した背景には、当時のMr.Childrenが辿り着いた音楽的・精神的な到達点がありました。アルバム『HOME』の制作期間中、バンドはそれまでの壮大なテーマや社会風刺、重厚なロックサウンドから一歩距離を置き、「日常」「家族」「身近な生活空間」へとフォーカスをシフトさせていました。
桜井和寿は当時のインタビューなどで、ツアーやレコーディングという特別な非日常から自宅へ戻った際、家族と交わす挨拶や何気ない会話の中にこそ、かけがえのない真実があると実感したことを明かしています。特別な奇跡を追い求めるのではなく、靴を揃えることや夕食を囲むことといった当たり前の光景に光を当てること。その思想が結晶化したのが『彩り』でした。
さらに、カメラのCMソングとしてオンエアされたことで、日常のワンシーンを写真のように切り取る楽曲の世界観がお茶の間へと浸透し、Mr.Childrenを代表するスタンダードナンバーとして定着していきました。