日本の「非常口マーク」はなぜ世界標準に?緑の走る人の秘密と2026年最新進化
日本で生まれたこのデザインが世界中に普及するまでには、国際標準化機構(ISO)を舞台にした熾烈な攻防が存在した。1980年代初頭、ISOの標準化会議では、ソビエト連邦が提案するドアを開けて逃げる人型の案や、ヨーロッパ各国が主張する独自のデザインが火花を散らしていた。
日本チームは「走る角度」「脚の曲がり具合」「頭部と胴体の分離度」がもたらす視認性の高さを科学的データとともに主張。文字を排除したシンプルさと、遠くからでも一目で走る動作と判別できるシルエットの美しさが評価され、1987年にISO 7010の国際標準規格として正式採用された。
言葉の壁を超えて一瞬で危険を伝える「共通言語」として、日本の非常口マークは世界基準となったのである。現在では「Running Man」の愛称で世界中の施設に掲出され、国籍や言語を問わず何億人もの安全を見守り続けている。