子宮頸がん検診の「Nilm」とは?異常なしでも油断禁物な理由と次回目安
かつて日本の検診現場では、結果を「クラスI」から「クラスV」までの5段階で表記する日母分類(日本母性保護医協会分類)が主流でした。しかし現在では、日本産科婦人科学会や日本臨床細胞学会の指針に沿って、世界共通の国際基準であるベセスダシステム分類が標準採用されています。
受診者が混乱しやすいポイントが、このNILM クラス分類 違いです。従来のクラス分類は「がんである確率」を大まかに段階化したものでしたが、前がん病変の病理学的性質や細胞の変化を細かく反映しきれない弱点がありました。一方、ベセスダシステムは細胞の微細な変化を形態学的に細分化し、次に行うべき医療措置を明確にガイドする仕組みになっています。
日常の検診においてNILMの次に多く見られるのが、NILMとASC-USの違いです。ASC-US(アスカス)は「意義不明な異形成の疑い」を指し、細胞にわずかな変形が見られるものの、それが良性の炎症によるものか、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染による初期の異形成なのか判定がつきかねるグレーゾーンの状態を指します。完全にシロと判定されるNILMとは異なり、ASC-USと判定された場合は追加検査が必要となります。
日本産科婦人科学会が公開している集計データによると、自治体や職場の住民検診を受診した人のうち、実に約96〜98%がこのNILMに分類されます。つまり、NILMが出たこと自体は統計上きわめて標準的であり、過度な心配をする必要は一切ありません。