喧騒のブームが去った河川敷で何が起きているのか――2026年、京都「笠置」が提示する野営の未来
キャンプギアの中古市場には、数回しか使われなかった高級ツールが溢れ返っている。業界団体の統計を見るまでもなく、ライト層の多くはすでにグランピング施設や手軽なレジャーへと流れたか、あるいは週末の都市部へ戻っていった。だが、その引き潮こそが、本来のキャンプの醍醐味を取り戻す契機になったと語る愛好家は多い。
木津川の河原に設営された無骨な軍幕スタイルのテント。その主である大阪市在住の40代男性は、手慣れた手つきでアルコールストーブに火を灯しながらこう漏らした。「3、4年前は隣のテントのペグが自分の陣地に刺さるくらい混んでいた。今は昔のように、風の音と鳥の声がちゃんと聴こえる。本来、笠置はこういう場所だったはずなんです」。過密から解放されたスペースには、個々のキャンパーが保つべき心地よい距離感が自然発生的に戻ってきている。