サザエさん原作カツオ戦死説の真相|都市伝説の元ネタと公式設定を解明
「原作のカツオはすでに戦死している」という言説の真偽について、単刀直入にお答えします。この噂は100パーセント事実無根のデマです。長谷川町子氏が手がけた原作コミックス全68巻、ならびに姉妹社や朝日新聞社から刊行された関連書籍のどこをめくっても、磯野カツオが戦死するエピソードはおろか、軍隊に入隊する場面すら1コマも描かれていません。
決定打となるのは、作品が発表された歴史的タイムラインとカツオの年齢設定です。『サザエさん』が地方紙「夕刊フクニチ」で連載を開始したのは、1946年(昭和21年)4月22日のことでした。すなわち、日本が太平洋戦争の終戦を迎えた1945年8月15日の翌年春です。
連載開始当初、磯野カツオは新制小学校に通うやんちゃ盛りの少年として登場しています。当時の日本軍の徴兵適齢は20歳(大戦末期に19歳に引き下げ)であり、学徒出陣や少年兵の特例を考慮しても、小学生の少年が兵士として前線に送られる法制度は存在しませんでした。時代考証の観点からも、終戦直後から物語が始まっている作品の中で、小学生であるカツオが出征して戦死することは物理的・歴史的に不可能です。