芸人・永野の現在と再ブレイクの理由|「ラッセン」から天才批評家へ
2015年前後に巻き起こった「ラッセン」ブームは、永野の知名度を全国区へ押し上げた反面、大衆向けにデフォルメされた消費の対象にもなりました。一般的なリズムネタ芸人であればブームの終息とともにフェードアウトするところですが、永野が真価を発揮したのはその後でした。
再ブレイクの決定打となったのは、佐久間宣行プロデューサーの手がけるYouTube番組や『あちこちオードリー』、『全力!脱力タイムズ』などで見せた圧倒的な人間観察力と毒舌批評です。迎合を嫌い、芸能界の予定調和や世間の薄っぺらなトレンドを容赦なく切り捨てる姿に、視聴者は「この人はただの変なおじさんではなく、本物の天才ではないか」と気づき始めました。
お笑いの構造を誰よりも客観的に俯瞰し、タブーを恐れずに言語化する切れ味は、他の追随を許しません。お茶の間のイロモノから、お笑い界の急所を突く「批評のトリックスター」へと転換したことこそが、現在の爆発的な再評価につながっています。