大島渚が遺した映画史の革命!『戦メリ』秘話と闘病の真実を追う
1976年に発表された『愛のコリーダ』は、阿部定事件をモチーフに男女の極限の性愛を描いた日仏合作映画です。日本国内の厳しい検閲を回避するため、撮影フィルムをフランスに空輸して現像・編集するという前代未聞の手法が採られました。
第29回カンヌ国際映画祭の監督週間でプレミア上映されると、世界中から絶賛を浴びる一方、日本国内では同名書籍の写真をめぐって刑法175条(わいせつ物頒布罪)で起訴される事態へと発展します。
足かけ6年におよぶ「愛のコリーダ裁判」において、大島渚は法廷で国家権力による表現への介入を鋭く批判。「性器の描写があるからといって、人間の尊厳を描いた芸術作品を猥褻と断ずることはできない」と堂々と主張し、1982年に最高裁で無罪が確定しました。この裁判は、日本の近現代における表現の自由と芸術の定義を大きく前進させた歴史的転換点として語り継がれています。