誰でも夜空を鮮やかに彩れる花火の描き方と画材別プロの技法全集
花火を描く際によくある落とし穴が、画面全体に均等な火花を散らしてしまい、どこを見ればよいのか分からなくなる現象だ。絵画としての説得力を高めるには、主役となる「親花火」をあえて画面の中心から少しずらした位置に据え、脇役となる小さな花火や消えゆく火の粉を疎密をつけて配置する。
さらに、画面の下部に河川の反射や群衆の黒いシルエット、建物の輪郭を描き足すと効果的だ。光を受ける対象を描くことで、花火自体のスケール感と明るさが強調され、平面的なイラストから奥行きのある情景画へと昇華する。煙の描写を薄く加えることも忘れてはならない。光が煙に乱反射する様子こそが、本物の夜空が持つ臨場感の正体だ。